ホンモノ市、油屋旅館。
今回のホンモノ市で
何よりも印象的だった油屋旅館の建物。
堀辰雄さんも定宿とされていたという旅館だけあって、
やはり素敵な建物でした。風情もあるし、何より
心地よい落ち着きを感じました。
旅館としての経営が終わってしまってから、数年もの間
持ち手が不在となっていたこの建物を、
「今後もこの建物と場所を守り、保存していかなければ」と
地元の古書店「追分コロニー」さんが中心となって
維持活動に取り組まれたことで、
この信濃追分のシンボルが、取り壊しや売却という
危険性を回避できたのだそうです。
今年の夏までにギャラリースペースの改修を終えて、
ホンモノ市では大勢のお客様が来場され、
楽しくあたたかな出会いと時間が生まれていました。
冬から来春までの間にはいよいよ本館の改修に
着手されるとのこと。来年のホンモノ市の頃には、きっと
ますます魅力的なスペースとして生まれ変わっているのではないでしょうか。
信濃追分で紡がれてきた歴史の中で
「定点」となったこの油屋旅館が、
その土地に生きる人たちによって守られて、
これからの新たな時代の「出発点」になっている——
ホンモノ市の運営の背景には、
とても素敵な方々の活動と努力があったのだと感じました。
by thinking_grove
| 2011-10-11 00:30
| 長野